目次
- はじめに
- 技能実習と特定技能の違い
- 移行が可能な分野と条件
- 移行のための手続きと必要書類
- よくあるトラブルと注意点
- 行政書士が支援できるポイント
- まとめ
- はじめに
技能実習制度は「人材育成」を目的とした制度である一方、特定技能制度は「労働力確保」を目的とした制度です。 札幌でも、技能実習を終えた外国人が「もっと日本で働き続けたい」と希望するケースが増えており、特定技能への移行はその現実的な選択肢となっています。 ここでは、技能実習から特定技能への移行に必要な条件や手続き、実務上の注意点を解説します。 - 技能実習と特定技能の違い
まずは、両制度の基本的な違いを整理しておきましょう
| 項目 | 技能実習 | 特定技能(1号) |
| 目的 | 技能移転・人材育成 | 労働力確保 |
| 在留期間 | 原則3年(最長5年) | 最長5年(更新制) |
| 就労分野 | 限定(84職種) | 限定(12分野) |
| 家族帯同 | 不可 | 不可(1号) |
| 試験 | 不要(受入れ前に選抜) | 技能試験・日本語試験が必要(例外あり) |
技能実習を修了した外国人は、一定の条件を満たせば試験免除で特定技能へ移行可能です。
- 移行が可能な分野と条件
技能実習から特定技能1号へ移行できるのは、技能実習2号を良好に修了した者に限られます。 また、移行できるのは以下のような分野に限られています:
介護
建設
農業
外食業
宿泊
製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連)
清掃、ビルクリーニングなど
移行の条件は以下の通りです:
技能実習2号を良好に修了していること(修了証明書が必要)
同一分野での就労を希望していること
新たな受入れ機関(雇用先)が決まっていること
健康状態や素行に問題がないこと
試験(技能・日本語)は原則必要ですが、技能実習2号修了者は免除されます。
- 移行のための手続きと必要書類
技能実習から特定技能への移行は、「在留資格変更許可申請」によって行います。 主な手続きの流れは以下の通りです:
新たな雇用先の決定(特定技能の受入れ機関)
支援計画の作成と登録支援機関の選定(必要な場合)
在留資格変更許可申請の提出
審査(1~3か月)
許可後、在留カードの更新と就労開始
必要書類の例:
在留資格変更許可申請書
パスポート・在留カード
技能実習修了証明書
雇用契約書
支援計画書(登録支援機関が作成)
会社概要資料(登記簿謄本、パンフレットなど)
理由書(移行の背景と本人の希望を説明) - よくあるトラブルと注意点
移行手続きでよくあるトラブルには以下のようなものがあります:
修了証明書の取得が遅れる → 技能実習実施機関や監理団体との連携が必要
新たな雇用先が特定技能の受入れ要件を満たしていない → 登録支援機関の有無や支援体制を事前に確認
在留期限が迫っているのに申請が間に合わない → 早めの準備と仮申請の検討が必要
分野が異なるため試験が必要になる → 同一分野での移行であるかを慎重に確認
特に、技能実習と特定技能の分野が一致していないと試験免除が適用されないため、職種の整合性が重要です。 - 行政書士が支援できるポイント
行政書士としては、以下のような支援が可能です:
技能実習修了者の移行可能性の判断
在留資格変更許可申請の書類作成と提出代行
理由書や支援計画の作成支援
雇用主への制度説明と書類整備のサポート
登録支援機関との連携調整
特に、初めて特定技能を受け入れる企業にとっては、制度理解や書類準備に不安があるため、行政書士の関与が安心材料になります。 - まとめ
技能実習から特定技能への移行は、外国人本人にとっても企業にとっても大きなチャンスです。 ただし、制度の要件や分野の整合性、書類の整備には注意が必要であり、早めの準備と専門家の支援が成功のカギとなります。 行政書士としては、技能実習修了者の将来を支える制度移行を、的確かつ丁寧にサポートしていきます。

